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2021年、全日本選手権で銀メダルに輝いた「カナダイ」。2022年1月の4大陸選手権でも銀メダルに Photo by Getty Images
2021年、全日本選手権で銀メダルに輝いた「カナダイ」。2022年1月の4大陸選手権でも銀メダルに Photo by Getty Images

やばすぎる!村元哉中×高橋大輔「かなだい」のラテンリズムダンスは「血が騒ぐ」

観客の言葉を奪った衝撃の新プログラム

アイスダンスの競技続行を宣言した、村元哉中選手と高橋大輔選手との「かなだい」。
拠点のフロリダで練習を積んでいた彼らの今季のリズムダンスが、8月26日から開催されたアイスショー「フレンズオンアイス2022」にて、ベールをぬいだ。今季のテーマはラテンだが、その演技を見た観客たちが「やばい」以外の語彙を失った衝撃のプログラム。フィギュアスケートを長く見てきたライターの田中亜紀子さんが、9月11日の地上波放送の前に、かなだいの「ヤバすぎる」プログラムの瞬間を中心にレポートする。

2020年にアイスダンスデビューした「かなだい」。2020年11月のNHK杯で銅メダルに輝いた Photo by Getty Images
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アイスダンスの競技続行を決めた二人

「やばいやばいやばい!」。「何あれ、やばい!」。
演技を観た人々から、リアルでもSNS上でも「やばい」以外の語彙を奪った、今季のかなだい(村元哉中選手と高橋大輔選手のカップル)のリズムダンス。

アイスダンスの競技続行を決めた高橋選手と村元選手だが、今季のリズムダンスのテーマはラテンである。ラテンといえば、高橋大輔選手には、ソロ時代のプログラム「マンボ」やピアソラのタンゴの「ブエノスアイレスの冬」など、世界で愛された、情感あふれるラテンの名プログラムがいくつもあることからも、それはすごいものになるだろうという期待はあった。しかし、村元哉中選手との互いに挑むような、スピーディーでキレッキレのダンスプログラムがこれほどカッコいいとは! まさに衝撃のプログラムといっても過言ではない。

この演技が披露されたのは。8月26日から28日、新横浜で開催されたアイスショー、「フレンズオンアイス2022」だ。これは荒川静香さんが企画・プロデュースを行い2006年から始まったショーで、息の長い活動をしている国内外のプロの名スケーターが多く集う、大人のアイスショーだ。今回も若手の育成枠以外は、国内の現役選手は、かなだいと現・男子シングルの世界チャンピオン、宇野昌磨選手のみだ。

「フレンズオンアイス2022」出演者のみなさん フレンスオンアイス公式インスタグラムより

コロナ禍に入ってから海外のスケーターが参加できず、3年ぶりにようやく海外のスケーターが参加できる正常な形での開催。高橋大輔選手が参加したのも3年ぶりだ。前回ソロで出演した後、村元選手とカップルを組んでアイスダンスに転向した高橋選手。アメリカに拠点を移し、コロナ禍は参加できずにいた。つまり今回は3年ぶりということに加え、アイスダンスのカップル「かなだい」として初めて臨む「フレンズオンアイス」となるわけだ。

コロナを超えたフレンズオンアイスの気迫

最初に言ってしまうが、今回のフレンズオンアイスはすばらしかった。なんというか、スケーターの気合が尋常ではなく、伝わってくるものがたくさんあった。我々見る側もようやく正常化したショーに行かれるのはとても楽しみだったし、スケーターもコロナ禍でショーが開催されず、人前で滑ることへの飢えがあったようにも感じる。プロ1年目の宮原知子さんや田中刑事さん、プロとしてスケートを追求している無良崇人さんや鈴木明子さん、安藤美姫さん、佐藤有香さん、本田武史さん、さらに宇野昌磨選手とそのコーチも務める表現者ステファン・ランビエールさん他、海外のスケーターたち、プロデュースも務める荒川静香さん。みんな本当に気迫があり、見ごたえがあった。

「ミス・サイゴン」のコラボレーションのプログラムを演じた3人。高いスケート技術を保ち、氷艶以来、表現の変化を感じる荒川静香さん。宇野昌磨選手のコーチも務める表現者、ステファン・ラんビエールさん。プロ1年目の宮原知子さんは、北米を回るSOIのツアーで刺激もあったのか、存在感が増していた フレンス・オン・アイス公式インスタグラムより

さて、まずはショーのオープニング。出演者がそろって滑るグループナンバーに、転向1年目のリズムダンス「マスク」の派手な衣装で登場した「かなだい」。ほかのスケーターと同じふりつけでそれぞれに踊るが、高橋選手は独特のニュアンスと音への反応で、どこから見ても粋な動きが光る。その隣にはラメの衣装を着た、村元選手が、衣装だけではないキラキラオーラをふりまいて踊っている。ものすごく絞って仕上げてきた身体から、今季への意欲が感じられる。このオープニングを見ただけで、現役続行宣言の後、かなだいの二人が、どれほど練習をつんできたかがわかる気がする。

マッシモ・スカリ氏が振り付けした、かなだいのエキシのプログラム「Love Goes」 フレンズオンアイス公式インスタグラムより

オープニングのグループナンバーの後、名前のコールと共に次々と出演スケーターが印象的にリンクにお目見えする。「かなだい」は、ともにツイズル(片足で回転しながら移動する技)で、高速で回転しながら登場。男女ともに華のあるカップルにふさわしい登場だ。第一部は「かなだい」としてではなく、それぞれが一人で滑り、村元選手は、オープニング直後の荒川静香さんと、カナダのアイスダンスのカップル、ケイトリン・ウィーバーさんとアンドリュー・ポジェ氏、ジェイソン・ブラウン選手との身体能力の高いグループナンバーに出演。彼女はこのアイスショーに初参加だが、そのおしゃれなナンバーの振り付けも担当した。高橋選手が登場したのは、第一部のラストのアメリカのスケート巧者、ジェレミー・アボット氏とのコラボレーションである。

ジェレミー・アボット氏とコラボする高橋大輔選手 フレンスオンアイス公式インスタグラムより

まずはっとしたのが、高橋選手が、ソロの現役時代のプログラム「月光」の衣装を着ていたことだ。当時は華奢な体型が、今はパートナーをリフトするカップル競技の選手として、筋肉が隆起するたくましい体型に変わっている。にも関わらず、その衣装がとても似合った。後ろからみると、見事な逆三角形の上半身と、鍛え上げた下半身の筋肉の隆々とするさまが映え、本人が「今、これまでで一番体型が仕上がっている」と語っていただけのことはある。練習を積み、仕上がった体で、リンクを縦横無尽に、伸びのあるスケーティングで舞うように滑るその姿。そして高橋選手の特有の美しいレイバックスピンが久しぶりに見られたのもうれしい。アイスダンスのカップル「かなだい」としての演技もとても魅力的だが、高橋大輔選手が自由に滑るソロ演技を見る機会は貴重である。

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