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射場における汎用設備のあるべき姿の概念設計と事業成⽴性の検討

日本政府は、2030 年代前半までに年間30 機程度のロケット国内打上げ能力の確保を目標に掲げている。しかし、基幹ロケットは既存射場の制約により年間10 機程度に限られており、残り20 機分の打上げ能力を別途確保する必要がある。このため政府は、SBIR 等の基金を設け、ロケット打上げ企業の市場参入を促し、ラインナップの拡充や射場整備を進めるための政策を進めてきた。政府目標達成の確度向上には、こうした新たな射場からの打上げ、新たなロケット打上げ企業の台頭が求められる。一方、現状民間射場の利用にはロケット固有の設備を打上げ企業側で整備する必要があり、この投資負担が速やかな打上げ開始の障害の一つとなっている。この課題を解決するため、本技術開発ではロケット問わず利用可能な射場における汎用設備のあり方、実現性や事業成⽴性の検討、提案を実施し、国内からの高頻度打上げに資することを目指す。






ロケット構造体用大型アルミニウム鍛造品の製造プロセス刷新

ロケットには様々なサイズ・形状のアルミニウム合金製品が使用されおり、特に本体および燃料タンクなどの構造体には、強度および信頼性の観点から、高強度アルミニウム合金のリング鍛造品が採用されています。しかし、H3ロケットに使用される直径5m超の大型リング鍛造品は日本国内で製造できず、海外からの輸入に依存しており、コスト抑制や素材供給の面で脆弱性があります。また、スタートアップ事業者様からお引き合い頂いている様々なリング鍛造品も、今後の高頻度ロケット打上げに際して、供給能力の不足が予想されています。そこで、高強度アルミニウム合金大型リング鍛造品を既存製造プロセスと比べて効率良く製造可能なリング圧延機(付帯設備含む)を導入し、既存のリング鍛造品製造プロセスの刷新を行います。これにより、基幹ロケットの国内一貫生産体制を構築するともとに、各種ロケットの高頻度打ち上げに供給面から大きく貢献します。






ロケット構造組立のフレキシブル組立システムの開発

現在、国際的なロケット打上げの競争激化、衛星打上げ需要増加に加えて、打上げ価格競争も激化しており、ロケット生産力強化、抜本的な製造原価低減が必要である。合わせて、少子高齢化・製造業志望者減少というマクロ的な社会動態により省人化・自動化が求められている。
これら課題を解決すべく以下の開発に取り組む。本開発は、ロケットの構造組立において、外部、内部等の狭隘空間をはじめとしたロケット構造体に対して、ドリル加工およびリベット打ち工程の自動化システムの開発を行うものである。これらの工程は現在、作業者による手作業に依存しており、量産に伴う作業負荷の増大や工程時間の長期化といった課題を抱えている。本技術開発では、ロケットの構造を模擬した環境下において性能評価を実施し、下記の開発を行う。
• 多様なリベットに対応可能なシステム開発
• フレキシブルな範囲を移動可能とするシステムの開発
• 高度な位置決めおよび加工精度の確立






ロケット用ベローズ製品製造工程と真空熱処理炉の近接効果とその実証

液体燃料ロケットに必要不可欠なベローズ製造について、長年、試作検討から量産まで役割を果たしてきた。ベローズ製品の製造において、熱処理工程は非常に重要で多く存在している。そして、ベローズ素管を熱処理する場合は、形状を保つために立てた姿勢で格納できる炉が必要であり、大型化した製品群では自社保有の従来炉で対応できず、数少ない外注先に依頼し対応している。
本事業では、大型の真空熱処理炉を導入し、工程の短縮を計り、リードタイムの短縮、及び、大型炉における熱処理工程のデータベースの構築を行う。熱処理データベースを構築する事で、新たなライン立上げ時の期間短縮や、新たな設計に対する対応などで有利となる。また、他サプライヤーへの提供など宇宙のみならずベローズを使用する産業全体への裨益を行う。リードタイム短縮は、典型的な燃料配管系製品で全体工程を従来の12か月と3週間から、7か月と1週間へと約43%の削減となる。






自動化及び制約解除による宇宙輸送機部品の機械加工技術強化

国際宇宙開発の競争が激化する昨今、ロケット打上げ需要の拡大に伴って構成部品の安定調達が望まれる。これには製造、品質保証といった供給に必要な能力の底上げが必須となるが他産業の部品と比較しても圧倒的に多種少量でかつ特有の要求から製造能力保有企業が少なく熟練技能者の暗黙知、いわゆる匠の技に頼っている状況である。これを打開するために類を見ない設備の開発、省人化工法の確立が必要である。構成部品には5m級の大型部品や切削が困難である材料(難削材)の高精度加工など要する技術が違うため調達難易度の高い部品毎に品質を確保した自動化、省人化を実現できる技術開発を行う。課題解決のためには多額の投資が必要であるが宇宙事業は,打上げ失敗による長期の生産停止に代表される事業見通しの不安定さがある為,大規模投資を民間企業の資本のみで実施するのは経営的に困難である。そのため本基金を最大限活用し高頻度打上げの実現に向けて製造技術の刷新を行いロケットのサプライチェーンへの裨益を目指す。