オブジェクト コンテキスト

このドキュメントでは、データの管理と検出に役立てるために、オブジェクト コンテキストを使用してオブジェクトにコンテキスト情報を追加する方法について説明します。

オブジェクト コンテキストを追加して管理する方法については、オブジェクト コンテキストを使用するをご覧ください。

概要

オブジェクト コンテキストを使用すると、説明情報を Key-Value ペアとして Cloud Storage オブジェクトに追加できます。オブジェクトにコンテキストを埋め込むと、データの分類、追跡、検索の方法を改善できます。コンテキストは、新しいオブジェクトを作成するとき、または既存のオブジェクトにコンテキストを追加するときに適用できます。

たとえば、請求書オブジェクトをアップロードするときに、customer_id コンテキストと payment_status コンテキストを追加して拡充できます。

{
  "contexts": {
    "custom": {
      "customer_id": {
        "value": "cust-78901"
      },
      "payment_status": {
        "value": "unpaid"
      }
    }
  }
}

オブジェクト コンテキストのユースケース

オブジェクト コンテキストを使用すると、データを分類、追跡、拡充できます。以降のセクションでは、オブジェクト コンテキストを使用してさまざまな種類の情報を管理するシナリオについて説明します。

オブジェクトをグループ化して分類する

バケット間やプロジェクト間でオブジェクトを分類して整理します。コンテキストを使用して、データセットの出所、所有者、コストセンターなどの属性別にデータにタグを付けます。

  • 例 1: コンプライアンス ポリシーで処理できるように、個人を特定できる情報(PII)を含むオブジェクトにコンテキスト data_classification: PII を割り当てます。

  • 例 2: batch_id: 2025_Q4_Model_Run コンテキストを割り当てて、取り込み中に新しいトレーニング画像をグループ化し、モデルの効率的なテストと取得を可能にします。

ワークフローを追跡する

カスタム ワークフローを最適化し、冗長なオペレーションを防ぐために、ワークフローの状態情報をオブジェクトに直接埋め込み、処理パイプラインにおけるオブジェクトのジャーニーを追跡します。

  • 例 1: processing_status: awaiting_review を使用して、外部リリース承認待ちのオブジェクトを示します。

  • 例 2: processed_by: analytics_pipeline を使用して、あるステージを完了したファイルをカスタムデータ処理サービスが再スキャンしないようにします。

アプリケーション固有のコンテキストでオブジェクトを拡充する

アプリケーションやビジネス プロセスに関する特定の情報を追加して、各オブジェクトの追加コンテキストとデータリネージを提供します。

  • 例 1: 衛星画像について、capture_angle: 45deg_NW などのキャプチャの詳細を記録するか、lineage: ingested_from_s3 でファイルの履歴を追跡します。

  • 例 2: document_type: service_manualvehicle_model: f250 など、ファイルの内容に関する詳細情報を埋め込みます。

オブジェクト コンテキストのメリット

オブジェクト コンテキストは、Cloud Storage オブジェクトの機能を拡張します。保存されたオブジェクトにカスタムの Key-Value ペアを直接関連付けることで、次のメリットが得られます。

  • データ検出: オブジェクト コンテキストは、オブジェクト リストのフィルタリングに役立ち、ワークロードの入力を対象オブジェクトのみに制限できます。

  • 相互運用性: オブジェクト コンテキストは、他のクラウド プロバイダのオブジェクト タグとの相互運用をサポートし、移行を簡素化するために、事前定義不要で文字列値を受け入れます。

  • データの永続性: コンテキスト データはオブジェクトのライフサイクル全体で保持されます。オブジェクトをコピー、書き換え、作成、移動、復元すると、コンテキストが自動的に転送されます。オブジェクト コンテキストを保持することで、保存場所や状態が変更されても、関連付けられたすべてのコンテキスト データがオブジェクトにリンクされたままになります。

  • コンテキストの変更に対する Identity and Access Management 制御: Identity and Access Management(IAM)権限を使用して、コンテキストを追加、変更、削除できるユーザーを定義することで、監査証跡の信頼性を維持できます。

次のステップ