イーサリアム(ETH)とは?できること・特徴・注意点をわかりやすく解説

イーサリアム(Ethereum/ETH)は、スマートコントラクトを使ってアプリを動かせるブロックチェーン基盤で利用される暗号資産です。

この記事では、イーサリアムの特徴(スマートコントラクト、DApps、NFT、DeFi)と、利用時に知っておきたいポイント(ガス代やアップデート)を整理します。

買い方記事だけを先に知りたい方は、イーサリアム(ETH)の買い方をご覧ください。

イーサリアム(Ethereum/ETH)とは

イーサリアム(Ethereum/ETH)とは、スマートコントラクトを使ってアプリ(DApps)を動かせるブロックチェーン基盤であり、そのネットワーク上で使われる暗号資産がETHです。わかりやすく言うと、「取引の記録をみんなで共有する台帳」であるブロックチェーンのうえに、「条件が揃ったら自動で実行される契約」であるスマートコントラクトを載せたプラットフォームがイーサリアムで、そのプラットフォームで使う「お金」がETH、というイメージです。

特定の国や企業に頼らず、世界中の参加者がネットワークを分散して運用する仕組みのため、取引データの改ざんが難しく、透明性の高い取引やアプリの利用が可能になっています。NFTやDeFi、ゲームなど、身近になりつつあるサービスの多くが、このイーサリアムの上で動いています。

ネットワークの通貨単位はETHです。ETHは、手数料(ガス代)の支払いやDApps利用時の決済のほか、保有・売買の対象としても利用されています。発行上限は設けられておらず、コンセンサスアルゴリズムにはPoS(Proof of Stake)が採用されています。技術的な背景や設計思想を詳しく知りたい方は、イーサリアムのホワイトペーパー(公式)公式サイト(ethereum.org)をご覧ください。

日本では、2017年の改正資金決済法により、ビットコインをはじめとする暗号資産のルールが整備され、取引所の登録制度や利用者保護が明確になりました。イーサリアム(ETH)も同法に基づく暗号資産の一つとして、登録取引所を通じた取引が行われています。

イーサリアムは数ある暗号資産のなかでも、DApps・NFT・DeFiといった仕組みを支える「スマートコントラクトを備えた代表的なブロックチェーン基盤」という位置づけです。開発の経緯や創設者について知りたい方は、イーサリアムの開発者は誰?をご覧ください。

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イーサリアム(ETH)リアルタイムチャート

イーサリアム(Ethereum/ETH)の特徴・メリット

イーサリアム(Ethereum/ETH)の特徴・メリットのイメージ

イーサリアムの主な特徴は次の5つです。

特徴①:スマートコントラクトが備わっている

特徴①:スマートコントラクトが備わっているのイメージ

1つ目の特徴は「 スマートコントラクト 」が備わっている点です。スマートコントラクトとは「 人の手を介さずに契約内容を自動で実行する仕組み 」のことです。より厳密には、スマートコントラクトはあらかじめ設定された条件に従って、ブロックチェーン上のトランザクション(取引)やブロックチェーン外から取り込まれた情報をトリガーにして実行されるプログラムを指します。

スマートコントラクトには、イーサリアムのブロックチェーン技術が利用されています。そのため、「契約内容が改ざんされない」、「契約の不履行を防止できる」という特徴があります。

また、人手を介さずに契約プロセスを自動化できるので、取引期間の短縮化や人件費の削減なども実現できます。こうした利便性の高さから、スマートコントラクトは金融業界や不動産業界など、さまざまな業界での実用化が期待されています。

スマートコントラクトについて詳しく知りたい方は、スマートコントラクトとはをご覧ください。

特徴②:独自のトークン規格「ERC」が採用されている

2つ目の特徴は独自のトークン規格「 ERC 」が採用されている点です。トークン規格とは、特定のブロックチェーン環境内でのデジタルトークンの動作ややり取りの方法を定義する一連のルールのことです。ERCは「Ethereum Request for Comments」の略で、イーサリアムに機能を追加するために使用されます。ERC規格の採用によって、異なるシステムやプラットフォームでは交換や利用が難しいトークンに互換性を持たせられるようになります。

ERCのなかでも、代表的なものは「ERC-20」や「ERC-721」というトークン規格です。ERC-20は主に暗号資産の規格として、ERC-721は主にNFT(非代替性トークン)の規格として用いられます。

ERCには他にも「ERC-721A」「ERC-3525」「ERC-6551」など、多くの種類が存在しており、さまざまなトークンに互換性を持たせています。

特徴③:NFT(非代替性トークン)発行のプラットフォームとして機能する

特徴③:NFT(非代替性トークン)発行のプラットフォームとして機能するのイメージ

3つ目の特徴は、イーサリアム(Ethereum)が「 NFT(非代替性トークン)発行のプラットフォームとして機能する 」という点です。NFT(Non-Fungible Token)とは、わかりやすくいえば「偽造できない所有証明書付きのデジタルデータ」のことです。つまり、NFTには「唯一無二の価値を証明する」という特徴があります。

具体例を用いて説明しましょう。たとえば、Aさんが持っている1,000円とBさんが持っている1,000円は同等の価値であり、交換できる「代替可能」なものです。同じく、Aさんが持っている1万円とBさんが持っている1万円は同等の価値であり、交換できる「代替可能」なものです。

一方で「代替不可能」とは、全く同じものが存在しないものを指します。たとえば「金メダル選手の直筆サイン入りTシャツ」のような一点物であることを意味しています。

従来のデジタルデータは、簡単に偽造や複製が可能であり、唯一無二の価値を証明することは困難でした。しかしNFTはスマートコントラクトを応用することで、デジタルデータの唯一無二の価値を証明することを可能にしました。それにより、アートや不動産の所有の証明や売買が活発になり、2021年3月にはデジタルアーティストのBeepleによるNFTアート「EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS」が、NFT史上最高額となる約6,900万ドル(約75億円)で落札され話題になりました。

今後も他のトークンにはない特色を持つNFTが、ブロックチェーンの利用シーンを広げ、あらゆる分野のデジタル化や簡略化を進めていくと期待されています。

NFTについて詳しく知りたい方は、NFTとはをご覧ください。

特徴④:DApps(分散型アプリケーション)構築のプラットフォームとして機能する

特徴④:DApps(分散型アプリケーション)構築のプラットフォームとして機能するのイメージ

4つ目の特徴は、イーサリアム(Ethereum)が「 DApps(分散型アプリケーション)構築のプラットフォームとして機能する 」という点です。DAppsとは、分散型アプリケーションを意味するDecentralized Applicationの略称です。DAppsはブロックチェーンとスマートコントラクトを基に構築される、次世代のアプリケーションと呼べるでしょう。

DAppsは、スマートコントラクトなどの仕組みによって、条件に応じて処理を自動実行できるのが特徴です。また、従来のアプリケーションでは中央管理者に権限が集中していましたが、DAppsではブロックチェーン技術を採用することで分散管理を行います。

現状、ほとんどのDAppsはイーサリアムのプラットフォーム上で開発されています。これは、DAppsを利用したサービスの多くがイーサリアムのスマートコントラクトを基盤として開発されているのが理由です。

また、DAppsはゲーム開発にも利用されています。DAppsを活用したゲームの代表的なものとしては、世界初のブロックチェーンゲームである「クリプトキティーズ(CryptoKitties)」や、フィリピンで社会現象にもなった「Axie Infinity(アクシーインフィニティ)」が挙げられます。

DAppsについて詳しく知りたい方は、DAppsとはをご覧ください。

特徴⑤:DeFi(分散型金融)構築のプラットフォームとして機能する

特徴⑤:DeFi(分散型金融)構築のプラットフォームとして機能するのイメージ

5つ目の特徴は、イーサリアム(Ethereum)が「 DeFi(分散型金融)構築のプラットフォームとして機能する 」という点です。DeFi(Decentralized Finance)とは、ブロックチェーン上に構築される金融サービスやエコシステムの総称のことで、日本語では「分散型金融」と呼ばれています。

より具体的に説明すると、「銀行や証券、暗号資産取引所などの金融サービスを、ブロックチェーンを活用して提供するシステム」のことを、DeFi(分散型金融)と定義することができます。

現時点で展開されているDeFi関連のサービスは、イーサリアムのブロックチェーンを利用しているものが多くを占めています。そのため、DeFiはイーサリアムと縁の深いシステムといわれています。

DeFiについて詳しく知りたい方は、DeFiとはをご覧ください。

イーサリアム(ETH)の欠点・注意点

イーサリアム(ETH)の課題と解決のためのアップデートのイメージ

このように多くのメリットを持つイーサリアムですが、現状では課題もあります。

  • 取引が混雑すると処理に時間がかかることがある
  • スマートコントラクトの不具合や悪用リスクがある
  • ガス代(手数料)が高くなることがある

ここでは、利用者がつまずきやすい「処理の混雑」「スマートコントラクトのリスク」「ガス代」の3点を整理し、あわせてイーサリアムのアップデートについても触れます。

課題①スケーラビリティの問題

スケーラビリティ問題

スケーラビリティ問題 」とは、取引量が膨大になった時に取引の承認時間が長くなったり、手数料(ガス代)が高騰したりする問題のことです。

イーサリアムのメリットでもご説明したように、イーサリアムは取引の承認を短時間で済ませることができます。

しかし、ブロックチェーンの1ブロックを15秒ほどで処理できるとしても、その数が増えれば、やはり承認には時間がかかるようになります。

しかも、イーサリアムは取引情報だけでなく、ブロックの中にスマートコントラクトを実行するプログラムまで書き込むことになりますから、必然的に情報量が多くなり、結果として取引スピードが低下してしまうのです。

こうした問題はイーサリアムが広く使われるほどに深刻化し、表面化しています。解決するにはネットワークの処理速度、つまりはブロック生成速度を高めるほかなく、そのための対策が検討・検証されています。

課題②スマートコントラクトのリスク

スマートコントラクトは便利な一方で、プログラムの不具合や設計ミスがあると、思わぬ損失につながる可能性があります。利用するサービスや取引内容によっては、仕組みやリスクを理解したうえで使うことが重要です。

課題③ガス代の高騰

Gas(ガス) とは、簡単にいうと「 イーサリアムを利用するのに必要な手数料 」のことです。

暗号資産の送金では、取引を処理するための手数料が必要になることがあります。

イーサリアムの場合、この送金手数料に加えて、 スマートコントラクトを実行する際にも手数料が必要 となります。こうしたイーサリアムのトランザクションに必要な手数料のことを、総称してGasといいます。

なお、Gas代は基本的に利用者が自由に設定することができます。ただし、一般的にマイナーは報酬の高い取引を優先してマイニングするため、 取引量が多い(=利用者が多い)ときには自然とガス代も高騰しやすい 傾向があります。

イーサリアム(ETH)のアップデート

イーサリアムには、The Merge(マージ)をはじめ、ハードフォークやネットワークのアップグレードが定期的に行われています。各アップデートの内容や影響については、別途「イーサリアム アップデート」の記事などで詳しく解説する予定です。

イーサリアム(ETH)に関するよくある質問

Q:イーサリアム(ETH)とは?何に使う?

A. イーサリアムは、アプリ(DApps)を動かせるブロックチェーン基盤で、ETHはガス代(手数料)の支払いなどに使われます。

Q:イーサリアム(ETH)は何ができる?

A. スマートコントラクトにより、DApps、NFT、DeFiなどの仕組みを動かせます。詳しくはイーサリアム(ETH)の特徴・メリットをご覧ください。

Q:ETHの価格はどこで確認できる?

A. 現在の価格は、イーサリアム(ETH)チャートで確認できます。

Q:CoincheckでETHを買うには?

A. 口座開設 → 日本円入金 → 購入の流れで進めます。手順の詳細はイーサリアム(ETH)の買い方をご覧ください。

Q:詐欺や間違いを避けるコツは?

A. 公式サイトや公式アプリ以外からの誘導には注意し、ログイン情報や復元フレーズを他人に渡さないのが基本です。