9日、TM NETWORKが40周年イヤーを締めくくるツアー『TM NETWORK 2025 YONMARU +01』の千秋楽を神奈川・横浜アリーナにて開催した。 ライブは、“生命の源”を想起させる“海の彼方”の映像から始まり、特務機関を模したアジト風の舞台へとシーンが転換。会場の高揚感が高まるなか、誰も聴いたことがなかった最新曲「We Can’t Stop That Way」で幕を開けた。これは41年目のプロジェクト継続を宣言するかのようなメッセージを含んだ楽曲であり、鮮烈な印象を与えた。 以降、「金曜日のライオン」や「永遠のパスポート」など過去曲も、リアレンジや新たな映像演出とともに披露。LEDスクリーンやリアル火炎を駆使したステージは、戦争や震災を彷彿(ほうふつ)とさせる世界観を描き出し、「Alive」「Birth」などの楽曲で現代社会への問いや人間の本質を訴える、メッセージ性を帯びた演出が続いた。 最新作「Carry on the Memories」からも3曲が披露され、なかでも「Good Morning Mr.Roadie」では歴代スタッフへの感謝を込めた映像とともに、リハーサル時に撮影された集合写真が大画面に映し出された。TM NETWORKのライブにMCやアンコールがないのは有名だが、その代わりに歌詞や演出を通じてメッセージを届けるスタイルが、ここでも貫かれていた。 セットリストは新旧織り交ぜながらも、“言葉”に重きを置いた選曲がなされており、「SCREEN OF LIFE」ではアカペラでのサビから始まり、LEDスクリーンに戦争で日常を失った人々の写真が昇華していく映像が流れるなど、平和や人間の尊厳をテーマとする一貫したメッセージ性が際立っていた。
2025/04/10